子供の国民年金、親が払うと税金が安くなる?自分でも分かっていなかったこと

お金の基本

前回の記事で、子供が20歳になったら国民年金の話を、ということを書いた。その中で「親が代わりに払うと、親の税金が少し安くなる」と注意書きに一行だけ入れたのだけど、あとから自分で読み返して、ふと疑問がわいた。

口座引き落としなのに、親が払ったか子供が払ったかなんて、どうやって分かるんだろう。
税金が安くなるって、確定申告をするということ?
じゃあ会社員はどうするの?

書いておきながら、実は自分でもよく分かっていなかった。なので改めて調べてみた。

そもそも、なぜ親が払うと税金が安くなるのか

国民年金保険料は「社会保険料控除」の対象になる。払った保険料の金額が、そのまま所得から差し引かれて、その分税金が安くなる仕組みだ。

ポイントは、自分の分だけでなく、生計を一にする家族の分を払った場合も、払った人が控除を受けられるということ。大学進学で一人暮らしをしていても、仕送りをしているなら、たいていは「生計を一にする」にあたるらしい。

ちなみに夫は学生時代、親が保険料を払ってくれていたそうだ。

疑問① 親が払ったか子供が払ったか、どうやって分かるの?

調べてみて意外だったのは、年金機構は「誰のお金で払ったか」を管理していないということ。記録されるのは「子供の保険料が納付済み」という事実だけ。

控除を受けられるのは「実際にお金を出した人」なので、親が控除を受けるなら、親名義の口座から引き落とすのが一番はっきりする。口座振替の申込書では、加入者本人とは違う名義の口座を指定できる。

逆に、子供の口座にお金を渡して、そこから引き落とす形だと、誰が払ったのかが曖昧になってしまう。

そしてもう一つ大事なのが、収入のある人の口座から払うこと。これはふるさと納税のときと同じで、所得のない人の口座から払っても、その人にはそもそも安くなる税金がない。私には所得がないので、わが家の場合は夫名義の口座、ということになる。

疑問② 領収書が来て、確定申告をするの?

使うのは領収書というより、「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」という書類。年金機構から毎年10月下旬〜11月上旬ごろに届く。

ここでややこしいのが、この証明書は子供の名前で、子供宛てに届くということ。親が払っていても、宛名は子供。なので、子供が一人暮らしなら、届いたら親に渡してもらう必要がある。

※その年の10月以降に初めて払った場合は、翌年2月ごろに届く

疑問③ 会社員も確定申告をするの?

会社員は確定申告をしなくてもいい。会社の年末調整で申告できる。年末調整の「保険料控除申告書」に子供の分として記入して、控除証明書を一緒に提出するだけ。

年末調整に間に合わなかった場合は、確定申告をすれば後から取り戻せる。

実際、どのくらい安くなる?

2026年度の保険料は月額17,920円なので、1年分で215,040円。これが丸ごと所得から差し引かれる。

安くなるのは所得税だけではなく、住民税も。所得税は人によって税率が違い、住民税は一律10%なので、合計するとこうなる。

1年分(215,040円)を親が払った場合の目安

所得税率所得税住民税(10%)合計
5%10,752円21,504円約3万2千円
10%21,504円21,504円約4万3千円
20%43,008円21,504円約6万5千円

2年分払えば、この倍。前回「少し安くなる」と書いたけれど、思っていたより大きかった。

ただし、安くなるタイミングは所得税と住民税でずれる。

  • 所得税:払った年の年末調整・確定申告で安くなる
  • 住民税:翌年度(6月ごろから)の分が安くなる

なので、住民税の分は1年遅れて実感することになる。

まとめ

  • 親が払うと、払った親の社会保険料控除になる
  • 控除を受けるなら、収入のある親の名義の口座から払う
  • 控除証明書は子供宛てに届くので、受け取って使う
  • 会社員は年末調整、確定申告をしている人は確定申告で申告する
  • 所得税はその年、住民税は翌年度に安くなる

※「生計を一にする」かどうかは、仕送りの有無など家庭の状況によって判断される。子供が自分の収入だけで生活している場合は、対象にならないこともある
※表の金額は概算。実際は所得税に復興特別所得税(2.1%)が上乗せされるため数百円ほど増え、所得や他の控除によっても変わる
※学生納付特例で後回しにした分を、就職後に子供自身が追納した場合は、子供の社会保険料控除になる


親が払うか、学生納付特例で後回しにして、子供が働き始めてから本人に払ってもらうか。どちらが正解というものでもないのだろう。ただ、払うとしたらこういう仕組みなんだと分かったことで、わが家の答えも少し出しやすくなった気がする。

それにしても、こういうことはみんな知っているのだろうか。役場から「控除できますよ」とお知らせが来るわけでもない。

税金のまわりは、知らないと損をすることが本当に多い気がする。自分で調べて情報を取りにいかないと、用意されている制度にも気づけないまま終わってしまう。


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