2026年9月28日の日本農業新聞に、年金の記事が載っていた。見出しは「国民年金保険料の育児免除、10月スタート。農業者も申請で免除に」。
正直に言うと、今の私にはまったく関係のない話だ。いつもの私なら、きっと素通りしていたと思う。老後が近づいている今でも、ブログを書いていなければ、「年金」という言葉にどれだけ興味を持ったかわからない。今回も、記事を書くために目を通した、という感覚に近い。
制度はいろいろ変わっていくのに、「自分ごとじゃない」と思って見過ごしていることが、私には本当に多い。改めてそう気づかされた。
私が子どもの頃は、会社員の年金は60歳からもらえた。そして、受け取りを遅らせられるのは70歳までだったとのこと。年金をもらう資格も、昔は保険料を25年払う必要があったらしいが、今は10年になっている。いつの間にか色々変わっていく。
そういえば、「3号が縮小されるらしい」という話も、どこかで小耳に挟んだ気がする。
今回はこの2つ、「育児免除」と「3号縮小」について、調べたことを書いてみようと思う。
その前に、少しだけ基本をおさらい。20歳から60歳までの人は、全員が国民年金に入っていて、働き方によって次の3つのグループに分かれる。
- 第1号:自営業、フリーランス、農業の人、学生、無職の人など。保険料は自分で払う
- 第2号:会社員や公務員。保険料は給料から引かれる
- 第3号:第2号の人に扶養されている(生活を支えてもらっている)配偶者。保険料は自分では払わない
大学生も、20歳になれば第1号になる。高校生も、あと数年で関係してくる話だ。(くわしくはこちらの記事で)
①2026年10月から:自営業の人にも育児の免除ができる
2026年10月から、国民年金保険料の育児免除制度が始まる。
どんな制度?
子どもが1歳になるまでの間、国民年金保険料(2026年度は月17,920円)を払わなくてよくなる制度だ。
誰が対象?
1歳未満の子どもを育てている親で、第1号被保険者(自営業、フリーランス、農業、学生、無職の人など)であること。この2つがそろえば対象になる。
母親だけでなく父親も、養父母も対象で、両親とも第1号なら2人とも免除になる。収入がいくらでも関係なく使える。
会社員や公務員(第2号)と、その扶養に入っている人(第3号)は対象外。会社員にはもともと育休中の保険料免除があるので、これまで何もなかった自営業の人にも同じような仕組みができた、ということになる。
一番のポイント
この免除期間は、保険料を払ったものとして計算される。つまり、払っていないのに将来の年金は減らない。
前に書いた学生納付特例(猶予)は、追納(あとから払うこと)をしないと年金額に反映されなかった。それとはまったく違う、かなり手厚い制度だ。
ただし、申請しないと使えない。ここは自分で動く必要がある。
②これから変わるかも:第3号の縮小
もうひとつは、まだ決まっていない話。
第3号被保険者は、会社員や公務員に扶養されている配偶者のこと。自分で保険料を払わなくても、払ったものとして扱われる。私も今は第3号だ。
この制度を縮小する方向で、議論が始まっている。
なぜ議論になっているのか
- 共働きが増えて、「自分で払っている人」との間に不公平感がある
- 扶養から外れないように働く時間を抑える「働き控え」の原因になっている
- 第3号の98%が女性で、時代に合っていないという指摘もある
今どの段階なのか
2026年9月に、厚生労働省が有識者による検討会を始めたところ。これから実態調査をして、課題を整理していく段階だ。報道によると、2030年の年金制度改正での実現を目指している。
つまり、今すぐ何かが変わるわけではないし、まだ何も決まっていない。ただ、方向としては縮小に向かっているのだろうと思う。
もし第3号がなくなれば、扶養されている人も自分で保険料を払うことになる。私自身は60歳になれば第3号ではなくなるので影響は小さいけれど、これから結婚する世代にとっては大きな話だ。
制度は変わる。だから、たまに確認する
調べていて分かったのは、年金は「一度覚えたら終わり」ではないということ。
- 年金をもらう資格に必要な期間は、2017年に25年から10年に短縮された
- 受け取り始める年齢の選択肢は、2022年に75歳まで広がった
- 遺族年金の仕組みも、2028年から変わることが決まっている
こうして並べてみると、数年ごとに何かが変わっている。
私自身、制度の変化を追いかけてきたわけではない。むしろ「自分には関係ない」と素通りしてきたことの方が多い。
それでも、年金のニュースを見たときに「これは自分に関係ある話だろうか」と一度立ち止まってみる。それくらいならできそうな気がする。
そして年に一度、ねんきん定期便が届いたときに、ちゃんと中身を見てみる。
私は毎年開いてはいた。ただ、見方が分からなかったし、正直そんなに気にしていなかった。もらえる金額さえ分かればいい、くらいに思っていたのだ。だから20歳の3月の1ヶ月が未納だったことにも、長いこと気づかなかった。
定期便を開いたら、まずは「これまでに保険料を納めた月数」を見てみてほしい。抜けている月がないか、それを確かめるだけでも十分意味がある。
「年金」が身近になってきた年齢のせいか、今までは耳を素通りしていた年金のニュースが、引っかかるようになった。
制度はいつの間にか変わっていく。育児免除のように、知らなければ申請すらできない制度もある。知っているかどうかで、差がついてしまうのだ。
※育児免除は2026年10月分の保険料から。申請が必要
※第3号の見直しは検討段階で、内容も時期も決まっていない。今後変わる可能性がある
※制度の最新情報は、日本年金機構や厚生労働省のサイトで確認できる



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