会社員の夫が亡くなったら、妻の年金はいくら?65歳以上でも一生もらえる遺族厚生年金

お金の基本

両親の老後の生活のことを考えていて、当たり前のことを確認しておきたくなった。

もし父が先に亡くなったら、母は自分の年金だけで暮らすことになるのだろうか。

調べてみると、出てきたのは「遺族年金」という言葉。FPの勉強をしたときに聞いたことはある。でも、65歳を過ぎた母でももらえるのだろうか。

今回は、会社員だった人が亡くなったときに出る「遺族厚生年金」について、できるだけざっくりまとめてみた。

先に結論

  • 会社員だった夫が亡くなると、妻には「遺族厚生年金」が出る
  • 金額は、夫の厚生年金部分の約4分の3
  • 65歳を過ぎていても、一生もらえる(再婚しなければ)
  • ただし夫の「基礎年金」はなくなるので、世帯の年金は大きく減る(妻がずっと専業主婦なら、6割くらいに)

まず、年金は「2階建て」

日本の年金は、2階建ての家のようになっている。

  • 1階:国民年金(基礎年金) → 20歳以上の人はみんな入る
  • 2階:厚生年金 → 会社員や公務員が上乗せで入る

遺族厚生年金は、この2階部分の話だ。だから、ずっと自営業やフリーランスで2階がなかった人が亡くなっても、遺族厚生年金は出ない。

父は会社員だったので、この話が当てはまる。

もらえる条件は、ざっくり2つ

① 亡くなった人が、年金に合計25年以上入っていたこと

国民年金、厚生年金、扶養に入っていた期間、免除を受けていた期間などを全部足して25年。厚生年金だけで25年、という意味ではない。

自分の老齢年金は10年入っていればもらえるのに、遺族年金は25年必要。ここは間違えやすいところだと思う。

② 残された家族が、その人の収入で暮らしていたこと

目安は、残された人の年収が850万円未満。ほとんどの家庭は当てはまる。

※会社員として働いている途中で亡くなった場合などは、25年なくても出る。

いくらもらえる?

亡くなった人の厚生年金(2階部分)の、だいたい4分の3。

ここで大事なのは、1階部分(基礎年金)は、亡くなった人の分がそのまま消えてしまうということ。

たとえば、こんな夫婦だったとする。

  • 夫:基礎年金80万円+厚生年金120万円=200万円
  • 妻(ずっと扶養):基礎年金80万円
  • 世帯合計:280万円

夫が亡くなると、妻が受け取るのは、

  • 自分の基礎年金 80万円
  • 遺族厚生年金 120万円 × 4分の3 = 90万円
  • 合計:170万円

280万円から170万円へ。世帯の年金は、約6割に減る。

ひとり暮らしになっても、家賃や光熱費は半分にはならない。ここは知っておいた方がいい数字だと思う。

※基礎年金80万円は、満額に近い場合の例。母の世代は、若い頃に国民年金に入っていなかった期間がある人も多く、実際はもっと少ないこともある

65歳を過ぎてももらえる?

これが一番知りたかったところだけれど、もらえる。年齢で打ち切られることはなく、再婚しない限り一生続く。

しかも、遺族年金には税金がかからない。

妻も少し会社で働いていたら?

母は若い頃、2年ほど会社勤めをしていたらしい。その分の厚生年金は、上乗せでもらえるのだろうか。

答えは「ほぼ変わらない」だった。

65歳を過ぎると、まず自分の厚生年金が支払われて、遺族厚生年金は「足りない分だけ」出る仕組みになっている。つまり、自分の厚生年金は遺族厚生年金の中に吸収されてしまって、合計はほとんど増えない。

少し払っていたのに…と思ってしまうけれど、そういう仕組みらしい。

誰がもらえる?

基本は配偶者(妻や夫)と子ども。子どもは、18歳になった年度の3月まで(結婚していないことが条件)。
※夫が受け取る側になる場合は、妻が亡くなったときに55歳以上という条件がある

配偶者も子どももいない場合は、父母 → 孫 → 祖父母の順番になる。

もらえない人

  • 離婚した元の配偶者
  • 再婚した人(その時点でもらえなくなる)
  • 亡くなった人が、一度も厚生年金に入ったことがない場合の家族

自分で手続きしないともらえない

遺族年金は、黙っていても振り込まれるわけではない。年金事務所などで請求の手続きが必要で、5年たつともらえなくなる分が出てくる。

家族が亡くなったあとはバタバタするので、「遺族年金の手続き」があることだけでも覚えておきたい。

2028年から、若い世代は変わる

2028年4月から、遺族厚生年金のルールが変わることが決まっている。

ざっくり言うと、60歳未満で配偶者を亡くし、子どもがいない人は、原則5年間だけの支給になる。その代わり、5年間の金額は今より多くなる。収入が少ない人などは、5年を過ぎても続けてもらえる場合がある。

ただし、一気に変わるわけではない。男性は2028年から、女性は20年くらいかけて少しずつ対象が広がる。2028年度に40歳以上の女性や、60歳以上で配偶者を亡くした人は、今まで通りだ。

年金生活に入っている両親の世代には関係ないけれど、若い世代は知っておきたい話だ。


※妻が40〜64歳で夫を亡くした場合、条件を満たせば「中高齢寡婦加算」という上乗せがつくことがある

※子ども(18歳の年度末まで)がいる場合は、「遺族基礎年金」も出る。子どものいない高齢の夫婦には出ない

※事実婚(内縁)でも、一緒に暮らして生計を支えられていたと認められれば対象になる

※細かい条件は人によって違うので、詳しくは日本年金機構や年金事務所で確認を


最後に

両親のことを考えて調べ始めたけれど、これは自分たち夫婦の老後の話でもある。

片方が亡くなると、世帯の年金はぐっと減る。でも「減る」と知っているだけで、貯金の考え方も変わってくる。頭の片隅に残しておこうと思う。

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